徳之島でダイビングは初心者でもできる？現地ダイビングサービスと、選び方を解説

鹿児島県・奄美群島に属する「徳之島」は、沖縄本島の北に浮かぶ、知る人ぞ知るダイビングの穴場スポット。派手なリゾート施設や賑やかな観光地は少ないけれど、その分だけ自然が残り、海の美しさは折り紙付きです。

この記事では、ダイビングを始めたばかりの方や、「南の島でのんびり潜りたい」と思っている一般のダイバーに向けて、徳之島のダイビング事情をわかりやすく紹介します。初心者が安心して楽しめる環境、魅力的なスポット、シーズンごとの見どころ、そして信頼できる現地サービスまで、これを読めば徳之島の海の世界がぐっと身近になります。

徳之島の魅力は、ボートダイビングに加え、初心者にも安心なビーチエントリーできるポイントが豊富なこと。リーフ（岩礁）に守られた穏やかな海は流れも少なく、初めてのダイビングでも十分に水中世界の美しさを感じられます。

「海に潜るのってちょっと怖い」と感じる方も、インストラクターが安全第一で丁寧に指導してくれるので、自然と緊張がほぐれていくはずです。スキルを磨きながら、自分のペースで海を楽しめる環境が整っています。

徳之島は観光客が少なめなこともあり、ダイビングスポットも「穴場感」があります。

沖縄本島や石垣島のような賑わいはない分、のんびりとした空気が流れ、海の中も貸し切り状態になることが珍しくありません。

朝の静かな時間にエントリーして、魚たちと一緒に水中を漂う。その静けさと透明度は、まさに「海と一体になる感覚」。大人数で潜るよりも、自分の呼吸や鼓動を感じながら海と向き合いたい方にとって、徳之島は理想の場所です。

徳之島では、年間を通してウミガメに出会えるチャンスがあります。

とくに春から夏にかけては遭遇率が高く、ビーチエントリーでもふと目の前を横切ることも。アオウミガメやアカウミガメが多く、のんびり泳ぐその姿は、海の中で出会う癒しの存在。

もちろん、徳之島の海の魅力はウミガメだけではありません。四季折々に異なる生き物たちとの出会いも楽しみのひとつです。

1月から3月にかけては、繁殖のためにザトウクジラが徳之島周辺の海域に回遊してきます。そのため冬の徳之島では、ダイビング中にザトウクジラの声が聞こえることも。

この時期、海の透明度が格段に高まり、幻想的な水中世界が広がります。直接クジラと出会えるのはまれですが、船上からブロー（潮吹き）やブリーチング（ジャンプ）を目にする機会もあり、感動的な景色に出会えるかもしれません。

水温は20℃前後まで下がるため、5mm以上のウエットスーツかドライスーツの準備を。

春になると、海の中でコブシメ（大型のイカ）の繁殖行動が見られるようになります。

ダイビング中、目の前でオス同士が威嚇し合い、サンゴの間にメスが産卵する様子をじっくり観察できるのは、この時期だけ。水中ドラマを垣間見られる絶好のタイミングです。

この頃は水温も上がり始め、初心者ダイバーにも潜りやすくなってきます。

夏の徳之島は、強い日差しが差し込むおかげで、水中の地形がいっそう映える季節。

クレバス（割れ目）やアーチ状の岩の隙間から差す光が、スポットライトのように海底を照らし、水中がまるで別世界のように変わります。地形好きのダイバーにはたまらないシーンが広がります。

また、シュノーケリングとの併用も人気で、家族連れや友人とのグループ旅行でも楽しめるのがこの季節です。

初心者でも安心の千間（せんま）海岸は、リーフ内に穏やかな浅瀬が広がり、エントリーしやすいスポットです。

ウミガメが多い徳之島にあって一番ウミガメと会いやすいポイントで、ダイブ中の遭遇率は9割を超えるともいわれます。広がるサンゴの間を魚の群れが行き交うさまはまさに癒しそのもので、シュノーケルでも楽しめます。洞窟やアーチもあり地形的にも面白いスポットです。

ダイビングスキルがある程度身についてきたら、チャレンジしてみたいのが「トンバラ岩」。

流れが強く上級者向けですが、その分、ロウニンアジやイソマグロといった大型回遊魚との出会いのチャンスも豊富。自然のダイナミズムを全身で味わえるスポットです。

「神様サンゴ」と呼ばれるスポットには、まるで小山のような巨大サンゴがそびえています。

水深25ｍの深さにあるその堂々とした姿に誰もが息を呑みます。長い年月をかけて成長したこのサンゴは、まさに海の守り神。周囲には多くの生物が共存していて、生態系の奥深さを実感できます。

長年にわたり徳之島でダイビングサービスを提供している「マリンサービス海夢居（かむい）」は、初心者からベテランまで、あらゆるレベルのダイバーに対応できる質の高いサービスが魅力です。少人数制を基本とし、参加者一人ひとりの経験や要望に合わせた丁寧なサポートを提供しています。安全管理を徹底しながらも、参加者が心から海中世界を楽しめるよう、温かいホスピタリティで迎え入れてくれるでしょう。

器材レンタルや写真撮影サービスも充実しており、ダイビング体験を丸ごとサポート。海が初めての人でも、ここなら安心して潜れます。

ダイビングサービスを選ぶ際には、以下の点に留意することをおすすめします。

• 初心者向けコースの有無: 体験ダイビングや、初級ライセンス取得コースが用意されているかを確認しましょう。
• 安全管理体制: 使用する器材のメンテナンス状況や、緊急時の対応について確認することが重要です。
• 利用者の評価: 実際にサービスを利用した人のレビューや評判を参考にしましょう。
• プランの内容: 自身の経験レベルや目的に合ったダイビングプランが提供されているかを確認しましょう。

徳之島は鹿児島県に属する奄美群島のひとつ。沖縄本島の北に位置し、温暖な気候と豊かな自然に囲まれています。

島全体にのびやかな空気が漂い、どこか懐かしい風景が広がる場所です。サトウキビ畑や石垣に囲まれた家々が並び、人々の暮らしと自然が調和しています。

2021年に世界自然遺産に登録された徳之島は、貴重な生態系が保たれている場所でもあります。

島固有のクロウサギやケナガネズミなど、ここでしか出会えない生物が多数生息。陸と海、両方で“特別な自然”と出会えるのも、この島の魅力です。

徳之島へのアクセスは、主に航空機またはフェリーとなります。

• 航空機: 鹿児島空港または奄美空港から直行便が運航しています。所要時間はそれぞれ約1時間、約30分です。
• フェリー: 鹿児島港から定期便が運航しています。所要時間は約12〜15時間ですが、船旅ならではのゆったりとした時間を過ごすことができます。

島内での移動には、レンタカーの利用が便利です。公共交通機関である路線バスも運行していますが、本数が限られているため、事前に時刻表などを確認することをおすすめします。

徳之島の人々が大切にしているのが「なくさみ」という文化。この言葉は「慰める」を語源とし、農作業の合間や収穫後の農閑期に、島民が日々の労働の疲れを癒やすために行った娯楽を指します。代表的なものに、闘牛を楽しむ「牛なくさみ」や、島唄を歌う「唄なくさみ」、魚を獲って祝う「漁なくさみ」などがあります。これらの風習は、島民同士の絆を深め、共同体の結束を強める役割を果たしてきました。特に闘牛は、現在でも島の主要な娯楽として親しまれています。

ダイビングの合間に、島民との交流を通して、「なくさみ」の精神に触れてみてはいかがでしょうか。

徳之島といえば「闘牛文化」も見逃せません。島では年に数回、闘牛大会が開催されており、観光客も見学可能です。

また、闘牛とのふれあい体験もあり、普段は見ることのない巨大な牛と接するチャンスも。勇ましさの裏にある飼い主との絆にも注目です。

島内には、美しい石垣が残る昔ながらの集落が点在しており、のんびりと散策を楽しむことができます。

石垣の道、そしてふり茶という徳之島の伝統的なお茶の飲み方でのおもてなし文化。観光地とはひと味違う、日常の温もりに触れられます。地元の人々との交流も、旅の醍醐味の一つとなるでしょう。

eバイクを使ったツアーでは、坂道の多い徳之島でも快適に移動が可能。自動車での移動では見過ごしてしまうような、小さな発見があるかもしれません。

地元ガイドと一緒に島内を巡ることで、ガイドブックには載っていない絶景やストーリーに出会えるかもしれません。

徳之島の海は、ただ潜るだけでは終わらない魅力にあふれています。
初心者にも優しく、自然の営みを肌で感じられるこの島で、あなたの「次のダイビング旅」を計画してみませんか？心と体が癒される、特別な体験がきっと待っています。